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雑な問いに対して、机上の空論で答えてはいけない。自分をプロだと思うなら。
商売柄、組織作りや採用、人事制度などHR領域に絡んだ質問を頂くことが多いのですが、こういうときに雑な質問に対して、雑な回答をすると後々自分の首を絞めることになります。前回のエントリーと同様、相手はこちらに魔法のような一手があると思って相談にくるわけです。ただし、HR業界に詳しいわけでもコンサルティングに発注慣れしているわけでもありません。そういう人の質問は一様に「雑」なわけです。

・うちの従業員がすぐやめて困るんだけど、何をすればいい?
・採用のレベルを上げるには何から手をつけるべきか?
・従業員のモチベーションを上げるには?

それぞれ、どうとでも答えられるのですが、実行する人事や組織の状態によっては、答えの選択によって費用対効果や掛かる期間が大きくことなってきます。場合によっては、組織の状況を悪化させます。安易なうち手を与えたために、質問者の組織が悪化した場合、そこに対価があったにしろ、無かったにしろ、自分のプロとしての信頼感は損なわれます。そのため、より細かい状況のヒアリングと、相手の思い込みなどを排除した事実に対しての提案をしていくことになります。

こういったアプローチを無視して、「従業員がやめるなら、給料を上げましょう」とか、「クレド作りが大事だ!」みたいな即答を求めているのであれば、何をやっても上手くいかないでしょう。人事はそんなに簡単なものではなく採用・教育・組織作り・配置・代謝などの全体を俯瞰し、そこからの課題の仮説設定と検証の繰り返しで、ようやく本当の姿が見えてきます、

もちろん、長い間同じ組織を見ている人が、同時にHRの知見もある場合は、即答できる可能性も高いですが、これは必要な知識をすべて内包しているだけであって、外部の人間に聞くまでもないという状況です。

そのため聞き手側とプロフェッショナルの間には、常に埋めがたい溝が存在します。聞き手は安易な答えを求めて、即効薬を期待するのに対して、プロフェッショナルは信頼を失わないために、即答と明言を避けます。

こういった矛盾する状況に対して、HRのプロフェッショナルが、正確に迅速に回答に近づきたければ、やるべきことは現場を知ることです。使い古された言葉ですが、答えは現場にあります。できれば、課題となっている組織に机をおいて一定期間現場を眺めてみましょう。それさえできれば、大きな選択ミスはせずに回答を選択することができるはずです。

HR領域は結局人の領域。理論やフレームワークを駆使しても、最後は現場の一人一人をみないと、正解にはたどり着きません。なかなかに面倒な仕事なのです。
author:dhr, category:プロフェッショナル論, 17:42
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