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お局バイアスと労働組合モデルの共通性
僕の周囲にはベンチャー企業の経営者や人事が多いので、労働組合とか関係ないぜ!と思っている方がほとんどかと思います。日本企業においては大手メーカーでのベースアップなんかが現存しておりますが、スタートアップ界隈であえて労働組合を創ろうなんていう個人も経営者もいないので、よほどのブラック企業に勤めていなければ、興味関心は一切ないものと思います。

しかし、古株の社員がいる。それだけで労働組合に起きる弊害と同じことが起こります。ここに注意しないと、成長に資する人材の採用をミスして、採用において余計な苦労をすることになります。

お局。今や私語かもしれないので。そして批判が来るかもしれないので小心者の僕は、以下に弁明しておきます。
http://zokugo-dict.com/05o/otubone.htm
1、性差別的な意味ではありません。
2、既存社員のうち、長期で在籍している人を想定。
3、経営者ではなく、メンバークラスに近い人。
をペルソナとして置いています。

僕が組織作りのご相談を頂くクライアント企業おいては、経営者が採用自体にそこまでコミットしていないケースがあります。社内の組織作りには興味があるのですが、採用は人事に任せて自分は事業業績にコミットしているパターンです。これはこれで、人事部が機能していれば良いのですが、任せたつもりが逆効果になっていることも、ままあります。その根本的な原因は、経営者の見ている視界と現場の見ている視界の差です。

労働組合モデル
特に古株の社員に採用を任せていると、困ったことになっているケースをよく見ます。これは労働経済学における労働組合モデルに非常に似ています。

簡単に言うと、
1、労働組合はその組織構成員の幸せ(≒賃金レベルの向上)を目的としているので、そのための交渉を経営側と交渉する。
2、その際、新規採用に関しては賃金総額が決まっている以上既存社員の賃金をシェアすることになり、極小に抑えたい。
3、そのため、労働組合の強い企業においては、既存社員の幸せが優先され、外部からの人材獲得意欲が衰える。
という流れになります。

ベンチャー企業のお局
これが、お局がいる中小企業でも発生します。お局は賃金決定などに対して影響を与えませんが、自分の居心地の良い環境を組織内に作っています。またベンチャー企業などではバックオフィスの全般を任せていたりして、職位は高くないのに権限が大きかったり、余計な手当てがついていたりします。

この手の人材は自分の居心地の良さが最優先ですので、採用にも口を出してきます。自分の居心地が多少でも脅かされる可能性があれば、その採用を徹底的に潰しにいきます。特に自分に近い部門の採用の話があると徹底的に不機嫌になります。
Ex)
・社長秘書を採用する。(女性スタッフが。。。)
・管理本部長を採用する(既存の部長クラスは総スカン)
・事業部長を採用する(これは男性の叩き上げ社員に多い)
・売れる営業マンを採用する(これは、既存営業マンが多い)

経営者はお局のご機嫌を損なうと面倒なので、事業計画上必要な人材でもリリースしてしまいます。

しかし、経営者にとって今の居心地に安住することが重要でしょうか。成長した先の組織作りを見据えなければ、本来的な生存競争を勝ち抜くことはできません。こういった社内の現状モデルに影響されると、事業成長に関係のない余計な項目が増えて、本来であれば採用すべき人材を採用しない、という事態が発生します。

労働組合は賃金という分かりやすい指標があるので影響も定量化できますが、インフォーマルな存在であるお局の影響は定量化されず、結果として採用から組織作りまで競争力の源泉を損失することになります。

これに対する解決策は
・自社の成長にとって必要な組織を客観的に定義する。
・現在の組織と未来の組織の軋轢を想定する。
・既存社員と採用される社員は短期利害関係では相反するという認識を持つ
・長期での組織化のプランニングをもって、採用を実行する
・客観的な立場で採用を見られるアドバイザーを任用する(人事の社外取締役など)

と、なります。



※内閣府資料参照
労働組合モデル
http://www5.cao.go.jp/j-j/wp/wp-je07/07f33030.html
author:dhr, category:組織論, 12:35
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